伊勢あらめ
『あらめ』ってどんなもの?
  あらめは、褐藻類・こんぶ目・こんぶ科・あらめ属の多年藻で、岩手以南の太平洋岸・瀬戸内海・九州西岸・北岸・日本海中南部沿岸に広く分布しています。
  島根県出雲大社近くの縄文・弥生時代の遺跡から「あらめ」が発掘されており、延喜式には、伊勢の国からの租税の『調』として滑海藻(あらめ)が時の朝廷に納められていたと書かれており、又、伊勢にある神宮の種々のお祭りでの神饌(シンセン)としても欠かせない物となっています。
  戦国時代の猛将 加藤清正の熊本城には、篭城用の食糧として壁の内部に「あらめ」が隙間なく詰め込まれていたと言う話も有名です。
  この様に「あらめ」は太古の昔より日本の食卓に上ってきていた食品なのです。
  この「あらめ」は水面下3〜5メートルくらいの所に棲息しており、3年〜4年目くらいの成熟したものを、海女さんが潜って採取します。非常に過酷な労働なので年々採取する人が少なくなり、近いうちに、珍味となってしまうかもしれない運命にあります。
  あらめは、食物繊維・カルシウムが豊富で、コレステロールの軽減や、大腸ガンの予防、血圧の低下に効くと言われ、育ち盛りのお子様、妊婦さん、骨粗鬆症の予防に良いと言われています。また、ヨードが豊富で甲状腺ホルモンと密接な関係にあり、育ち盛りのお子様には欠かせない物と言われています。なお、カロリーは殆どなく、理想的なダイエット食品と言えるでしょう。

なぜ伊勢志摩産は美味しいの?
  「あらめ」は、我々人間が食べるだけでなく、アワビやウニの餌にもなっている海藻なのです。その為、アワビ・ウニを守るためとして、殆ど採取されなくなってしまい、今では、伊勢志摩の特産となっています。伊勢志摩の「あらめ」は、3年〜4年目の物を採取しますので、1年〜2年目の物は、健全な状態で残ることになり、餌の心配はありません。
  「あらめ」の加工方法は、採取した物を天日で乾燥し、加工場に運んで、水洗い・塩抜きし、蒸す、カット、乾燥、選別します。但し、特に水洗い・塩抜きの時間、蒸す時間等は「あらめ」の状態を見て決めますので、長年の経験が物を言う作業ばかりなのです。  

上手なもどし方・下ごしらえ
  大きめボールにあらめを入れ、熱湯をたっぷり注ぎます。10分から15分程浸けておきます。
  次に、ザルにあけ、流水ですすいで、砂などの不純物を取り除いてください。
  火傷をしないように熱湯の取扱いにご注意ください。

料理例
あらめと竹輪の炒め煮
あらめと油揚げ、人参等との煮物
あらめとさつまいもの煮物
酢の物
味噌和え
いろいろな料理法でお楽しみください。


調理方法
  あらめと竹輪の炒め煮
@ 竹輪を厚さ5oくらいに切り、人参はマッチの軸くらいの太さに切ります
A 鍋を火にかけて温めて、油を入れて熱します
B あらめと竹輪を炒めます
C 煮出し汁1カップ、砂糖大さじ2、お酒大さじ2、しょう油大さじ2を入れる
(お好みにより調味料は加減してください)
D 沸騰したら人参を加え、落としぶたをし、煮汁が3分の1くらいになるまで煮ます

 

保存について
  直射日光、湿度の高いところを避け常温で保存してください。
  開封後は、袋の口をしっかり閉じるか、密閉容器に入れてください。
  冷蔵庫での保存をおすすめします。