国産と輸入品の違い
国産と韓国産・中国産の大きな違いは、天然の物であるか養殖物であるか、によるところが大きいといえます。
上記のように、天然物は、常に荒波に晒され、干潮時には直射日光を浴び、乾燥にも耐えなければならない過酷な環境に棲息しており、生体自体が強く、苔等の付着もしにくく、健全に成長しています。また、採取の時期さえ適切ならば、葉は身の詰まったおいしいひじきになります。
これに対し養殖物は、養殖ロープの保護のため、波の荒い海域では養殖できず、どうしても波静かな海域での養殖になります。又、常に海中につかっているため天然のように日光や空気に晒されることも無く成長していきます。また、常に水に浸っているので、水面に出ようとするのか、葉に気胞をもちやすくなります。
両者の違いを一言で表現すると、極端な例ですが、おいしい大根とすの入った大根の違いのようなものです。
異物に関しては、国産の天然にしても毛髪の混入が問題にされますが、波静かな海域での養殖は、毛髪等の付着が多く、一旦付着した毛髪は長ひじきの形状から容易に除去出来る物ではなく、混入してしまう危険性が増えます。
つまり、国産のものは天然、韓国産・中国産のものは養殖と言えます
下図は芽の形を示したものです。
左側が、天然に多い『針葉』『筋葉』等と呼ばれているものです。
右側が、養殖に多い『気胞』『玉葉』等と呼ばれているものです。
図で判る通り養殖に多い気胞葉は、中身がなく空洞です。
品質の違いは・・・・・・・・
天然(国産) | 養殖(韓国産) | |
生活環境 | 荒波の中に生息している 干潮時に乾出する |
比較的波静かな場所で生育、 常に海水に漬かりっぱなし |
採取時期 | 一番美味しい時期を見計らって採取する | 成長させるだけ成長させてから採取する (収穫量を増やす) |
芽の状態 | 早い時期に採取するので気泡が少なく、針葉が多い | 過熱に近いので、気泡が多い |
芽の大きさ | 大きい物が多い | 小さい物が多い |
芽の揃い | 生息場所や採取の天候による時期の ずれによりバラつきがある |
比較的均一な形状の芽になる |
身詰まり (味) | 身詰まりが良い | 身詰まりが悪い |
採取時期 | 潮や天候に左右される | 何時でも刈れる |
食感 | しっかり、もっちり | やわやわ、バサバサ |
染色 | ひじき・あらめの煮汁で染色 | カジメの煮汁で染色 |
香り | ひじき・あらめの香り | カジメの香り |
色 | 基本的には黒、但し、 新物の時期には茶色っぽくなる |
基本的には黒、但し、 艶のあり過ぎる黒は、 染色液が濃すぎる場合あり |
料理用途 | 煮物のほか、炒め物、サラダ、天ぷら等、多用途に使える | 煮物、炒め物 |
味 | ひじきの味 | 調味料の味 |