2004年7月29日
各 位
三重県ひじき協同組合
三重県伊勢市東大淀町228
0596−37−4588
( 公 印 省 略 )
英国の『ひじきを食べないよう勧告』の報道について
拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素はひじき業界の発展のためにご理解ご協力を賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。
さて、昨夜よりマスコミ各社で報道されております、《英国食品企画庁が『ヒジキを食べないよう勧告』(28日発表)》ついて、国や国内の研究者の方々の成果等をまとめ、各自で対応していただけるような文書を作成いたしました。
尚、我々ヒジキ業界は、今後とも関係省庁の通達及び指導等を遵守していく所存であり、より一層お客様に安心してお使いいただける製品をお届けできるよう努力してまいります、今後ともお引き立ていただきますようお願いいたします。
敬具
記
・
報道の内容について
・ 英食品規格庁は28日、日本から輸入したヒジキをサンプル調査した結果、発がん性が指摘されている無機ヒ素が、他の海藻に比べ高い濃度で含まれていることが分かったとし、英国民にヒジキを食べないよう勧告すると発表した。
・
日本の研究者等の考え方
・ 厚生労働省の見解
・ 日本国内での規制等は特に行わない方針とのことです
・ ヒジキにヒ素が含まれていることは周知の事実であり、そのためにこれまで健康被害等が発生したことが無いため
・ 内閣府 食品安全委員会のコメント(食品安全モニターからの報告(15年10月分)より)
・ http://www.fsc.go.jp/monitor/1510moni-saisyuhoukoku.pdf に全文(要約は当組合による)
・ ヒジキを沢山食べて、計算上摂取したヒ素がADI(一日摂取許容量)を越えてしまうことがあるかも知れませんが、〈中略〉それで直ちに悪影響が発生するという値ではありません。〈中略〉一方、ヒジキ以外の海藻も含め、これまでヒジキ等を食べてヒ素中毒を起こすなど健康に悪影響が生じたとの報告はありません。この理由として、通常の摂取の範囲では体内で無機ヒ素を有機ヒ素化合物に代謝する機能があること等が考えられております。 食品安全委員会では、食品に含まれる自然環境由来の物質の毒性、体内での代謝機構等に関する科学的な知見の収集等に努め、必要に応じて食品健康影響評価を行うことにしています。いずれにせよ、ヒジキ等の海藻を含め、バランスよく食品を食べて健康の維持に努めることが重要です。
・ 体内での代謝、排泄について(東京薬科大学 貝瀬利一先生のご研究から)
・ ヒト及び動物実験での研究から、毒性の強い無機ヒ素も生体内に取り込まれると段階的にメチル化(有機化)され、その大半はメチルアルソン酸、ジメチルアルシン酸へと変換されていくことが証明されている。 無機ヒ素のメチル化は哺乳動物に共通してみられる作用機序である。
・ メチル化されたヒ素化合物は臓器、組織との親和性が少なく、体外に排泄されやすい化合物であると考えられている。 実際にヒジキを摂取後メチル化されたヒ素が尿中に排泄されたと報告されている。
・ ヒ素の許容量
・ ヒ素の摂取許容量を越えるためには、(仮に代謝されないとして)一日に乾燥重量で7sのヒジキを摂る事が必要という試算もあり、現実的には起こり得ない数値です。
以上